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阪神タイガース・秋山拓巳選手インタビュー~「保護犬の現状を伝えたい」選手である前に一社会人として自分らしい支援を
コラム, 選手の活動

阪神タイガース・秋山拓巳選手インタビュー~「保護犬の現状を伝えたい」選手である前に一社会人として自分らしい支援を

掲載協力:アニマルレフュージ関西

秋山拓巳選手は今年1月、自主トレの合間を縫って動物保護施設「アニマルレフュージ関西」を訪問。動物関連団体の支援のため、公益社団法人「アニマル・ドネーション」に100万円の寄付も行った。今回は、動物愛護の活動を行うことになった経緯や支援への思いについて秋山選手にお話を伺う。

――もともと、プロ野球選手として支援活動をしたいという思いはあったのですか。

秋山 当然するものだと思っていました。先輩方を見てきて、活躍している選手はみんな何かしら活動をしていたので。本来であればもっと早くからできていたことなんですけど、経済的なこともあったし、活動を広めたいという思いもあったので、ある程度結果が出たタイミングで始めることになりました。やりたいことが見つかったというのも大きかったですね。

――今回は「自分らしい支援」ということで動物愛護の活動をされることになりましたが、具体的な支援先はどうやって決めましたか。

秋山 いろんな方に協力していただいて、アドバイスをいただきました。寄付の使い方や活動内容もきちんと調べて、ここなら寄付も正しく活用してくれそうだな、活動もしっかりやっているなと感じてアニマル・ドネーションに寄付することにしたんです。アニマル・ドネーションが関わっている施設がそんなに遠くない距離にいくつかあるので、シーズン中でも訪問できる環境にあることも理由の一つです。僕らの活動はどうしてもオフが中心になってしまいますが、近くにあれば訪問の頻度や方法も幅を広げられて、皆さんに知ってもらえる機会も増えるかな、と。

――プロ野球選手がよく採用する成績連動型ではなく、金額を決めて寄付をされていますね。

秋山 成績に左右されたくなかったんです。持続可能な方法で支援することを目標にしているので。僕らはこういう商売なので、ケガをして1年間勝てないこともあるかもしれません。それなら毎年いくらと決めて寄付するほうが安定した形で支援できると思いました。

――1月に、アニマル・ドネーションが関わっている「アニマルレフュージ関西」を訪問されましたが、行ってみてどんなことを感じましたか。

秋山 行く前は「怯えて動けない動物ばかりなのかな?」と勝手にイメージしていたのですが、実際に行ってみると施設の方やボランティアの方がすごく親身になって動物に接していて、想像していた以上に元気な子が多かったですね。みんな人懐こくて、甘えてきてくれて。吠える元気がある子ばかりで、とても明るい雰囲気の施設でした。

――施設の方に聞いたお話の中で、どんなことが印象に残っていますか。

秋山 動物が施設に来ることになるいちばんの理由は飼育放棄らしいのですが、最初はご飯の食べ方さえわからない、吠え方さえわからない、人間に甘える方法もわからない、そういう犬や猫もいると聞いてびっくりしました。

――高齢化や孤独死など、社会問題と動物愛護の問題は関係が深いと聞いたことがあります。

秋山 そこはすごくリンクしていると思いますね。僕も前は「おじいちゃんおばあちゃんは犬がいるほうが楽しいはず」なんて気軽に思っていたのですが、人間がいなくなった後のことまで考えないといけないんだなと痛感しました。

――昨今ではコロナ禍によって経済が不安定な状況ですが、動物愛護においてもその余波はあるのでしょうか。

秋山 コロナで家にいる時間が増えて、ペットショップで動物を買う人が増えているようですが、コロナが終わって平常時に戻った時、おうち時間が減ってもちゃんと同じように面倒をみられるのか。突発的な感情で飼うのではなく、覚悟を持って飼わないと飼育放棄に繋がってしまうなと、施設を見に行ってからは思うようになりました。

――秋山選手の支援を知って、同じように支援したい、協力したいというファンはどんなことから始めたらいいでしょうか。

秋山 今はSNS社会なので、僕のツイートや団体のツイートにいいねを押してもらったりリツイートしてもらったりするだけでも、すごく大きな力になります。それをきっかけに多くの方が目に留めてくれると思うので。

――この支援活動を発表してから、何か反響はありましたか。

秋山 ちょうどそのタイミングで阪神のテレビ番組に出たんですけど、共演した福本豊さんから保護犬に興味があるけどどんな感じだったかと聞かれました。ほかにも2、3人から同じような話があって、改めて活動を始めてよかったなと。これからも続けていくモチベーションになりますね。

――支援活動で、今後こんなことをやっていきたいというアイデアはありますか。

秋山 子どもたちとみんなで施設に行って、そこでいろんな動物と一緒に遊んだり、施設の方から話を聞いて命の大切さを一緒に学んだりしたいですね。保護犬の現状を伝えていけるような取り組みをしていきたいです。

――支援を始めてみて、野球に対する向き合い方に変化はありましたか。

秋山 そこは結びつけていないので特に変わったことはないですけど、ツイッターで支援について発表した時には多くの方から温かい言葉をかけていただいて、頑張ろうと思うきっかけにはなりました。これからも発信しながら、しっかり行動を起こすことを大事にしていきたいと思っています。

ⓒ HANSHIN Tigers

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