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児童虐待防止や地域の子ども支援…千賀滉大選手が次々と起こす社会的アクション(グランド外の選手たちの活躍にも注目!ぼくたちのプラス」)
コラム, 選手の活動

児童虐待防止や地域の子ども支援…千賀滉大選手が次々と起こす社会的アクション(グランド外の選手たちの活躍にも注目!ぼくたちのプラス」)

 福岡ソフトバンクホークスの千賀滉大選手が昨年12月、児童虐待防止のオレンジリボン運動を推進する「児童虐待防止全国ネットワーク」に寄付したことを発表した。千賀選手は2019年シーズンより奪三振ごとに1万円を積み立てし、同団体に寄付している。2020年シーズンは公式戦149奪三振、ポストシーズン14奪三振、あわせて163奪三振分の163万円を寄付した。

「コロナ禍で異例のシーズンとなる中、今年もオレンジリボン運動に寄付をすることができました。継続することが何よりも大事だと思っているので、これからも試合に出続けることで支援を続けていきたいと思っています。コロナ禍で虐待の(相談の)件数も増えているそうなので、みなさんに少しでもオレンジリボンのことを知っていただけたらと思います」(千賀選手)

コメントにもあるように、コロナ禍となった2020年は、児童相談所が対応した件数が1月からの半年間で9万8000件を超えており、過去最多のペースとなっているという(厚生労働省のまとめ)。これはあくまで児童相談所が“対応”した件数であり、休校措置や自治体の事業休止によって第三者からの情報提供が減ったことを考えると、実際にはこれを上回る件数が発生していることも危惧される。こういった状況の中、著名なプロ野球選手がこうして声を上げて意識づけを呼びかけることには、社会的にも大きな意味があると言えるだろう。

コロナ禍において、千賀選手はチームメイトの甲斐拓也選手ともう一つ別のプロジェクトを立ち上げた。クラウドファンディングを活用した「GIFT FOR FUKUOKA KIDs」だ。「最初は僕一人でやろうかなとも思ったんですけど、拓也のファンも巻き込んだら支援も大きくなるだろうし、拓也もこういう活動が好きだからぜひ一緒にやろうという話になりました」ときっかけについて明かした千賀選手。こうして、社会的養護のもとで暮らす福岡市内の子どもたちをコロナ禍から守るプロジェクトが5月にスタートした。

クラウドファンディングで寄付を募る期間を2週間としていたものの、当初設定していた目標金額の200万円はわずか2時間半でクリア。最終的に840人の支援者から目標を大幅に上回る710万2,800円の寄付が集まった。支援者への返礼品となるTシャツの制作費や送料などの経費は、すべて千賀選手と甲斐選手が負担した。

支援先の調整を担当した子どもNPOセンタ―福岡は、集まった寄付を活用し、福岡市内の里親家庭、ファミリーホーム、児童福祉施設など計88か所に新型コロナウイルス感染症対策のための感染予防グッズを送付。また、このクラウドファンディングをきっかけに、子どもたちへの支援をさらに推進すべく「ネクストダイアローグ・プロジェクト」という新たなプロジェクトを立ち上げ、地域の子どもたちを長期的に支えていくことを表明した。次のステップとして、ソフトバンク株式会社協力のもと、学習や交流のためのオンライン環境の整備にも取りかかり始めたという。

千賀選手が語るように、支援は「継続すること」に大きな意義がある。クラウドファンディングそのものは一時的なアクションかもしれないが、それによって生まれた絆を継続的な支援に活かしていくことも大切だ。この成功を糧に、千賀選手が今後どんなアクションを起こしてファンや社会を巻き込んでいくのか、引き続き注目していきたい。

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