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ひとり親家庭の子どもたちに野球を楽しむチャンスを。選手会のドリームキャッチプロジェクト2021年度支援開始
コラム

ひとり親家庭の子どもたちに野球を楽しむチャンスを。選手会のドリームキャッチプロジェクト2021年度支援開始

一般社団法人日本プロ野球選手会は、2019年に『選手会ビジョン2019』を発表。その中には「野球を始めたくても経済的な事情で始められない子どもを支援する」という項目が記載されており、2021年より野球を始めたいと願うひとり親家庭の子どもを支援する「ドリームキャッチプロジェクト」が本格的にスタートした。

支援対象は、全国の公立小学校3年生(応募時)の児童24名。応募条件は、ひとり親世帯(収入要件有)であること、もしくは児童養護施設で生活していること。また、公益財団法人全日本軟式野球連盟またはスポーツ少年団加盟の野球チームに所属している、もしくは所属する意向はあるものの、経済的な理由で継続、入団することができないでいること、その野球チームに所属した上で、小学校卒業まで継続して競技を続ける意欲があることなども応募の条件となる。

野球の場合、さまざまな用具を準備しなくてはならないことが始める際のハードルになることが多いため、支援内容はバッド、グラブ、シューズといった野球用具の寄贈と、継続する際に必要となる月謝などの費用分として年間30,000円(返済不要、ほかの奨学金との併用可)の金銭的な支援がある。

支援初年度となる2021年、ファーストミットとリュックを寄贈された徳島県在住の楠本晃一郎君は、実際に新品のミットを手にして「明日の練習でさっそく使いたい。だんだん仲間も増えてきたので、負けないように頑張ります」と意気込んだ。

大分県の児童養護施設で生活する安藤陸斗君には、バットとリュックが寄贈された。施設職員の衛藤祐雅さんによると、陸斗君は用具を受け取った際、「こんなにいいのもらえるんだ!」と喜びよりも驚きのほうが大きかったとのこと。少年野球チームの練習に持っていくと、チームメイトからも注目を浴びていたという。

「大事にしすぎて最初はなかなか使えなかったようなので、使っていいんだよって声をかけました。物の大切さを改めて実感しているんだと思います。私自身も野球をやっていたおかげで人間的に成長できた部分もあったので、陸斗君にも用具を大事にしてもらいながら、中学、高校と野球を続けて人間力を磨いてもらえたら嬉しいですね」(衛藤さん)

選手会理事長の福岡ソフトバンクホークス松田宣浩選手は、「チャレンジする前に様々な理由で諦めなくてはならない環境にある子どもたちを少しでも助けたい。夢に向かっていくには、まずスタートラインに立たなくてはなりません。そこに立った一人一人からどんな物語が生まれていくのかとても楽しみです」と本プロジェクトの今後に期待。自身もプロ生活において「野球は一人ではできない」と実感する日々を送っているといい、これまで30年以上野球を続けてこられたことへの感謝を、本プロジェクトを通じて支援につなげていく。

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